
11月6日(日)は聖徒の日。召天者記念礼拝が守られました。
年に一度、天上の聖徒たちのたくさんの写真を正面に置き、聖餐卓を囲むイメージをたいせつにしながら礼拝をささげています。
この日も、そんな礼拝メッセージを語りました。Blog・教会日記担当、わたくし牧師のもりでございます。
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この日は、礼拝後のしばしの団らんののち、車で10分程の所にある教会墓地での墓前の祈り、そして、納骨式が行われました。
その後、牧師夫妻は、月に2度の礼拝応援に伺っている十文字平和教会の礼拝に向かいました。
いつもより30分遅い3時半からの礼拝です。あちらでは、「永眠者記念礼拝」と呼ばれていました。ヨハネによる福音書からラザロの復活を通しての希望を語らせて頂きました。
十文字平和教会でも墓前の祈りが行われました。諸集会を終え、新しいルートを探して、少し大回りして旭東教会に戻ったのは午後7時頃のこと。
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そのご、食事が終わってひと息ついた頃、声が掛かりました。
「見てみて、かわいらしい写真がとれとるやろー」
博多弁の美樹さんが撮影してくれたのが上にご紹介した一枚の写真です。
左から季具枝さん(93歳)、靖さん(88歳)、光子さん(92歳)。三人合わせると272歳の旭東教会の現役バリバリ・キャンディーズです。
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おひとりお一人。わたしが思い出してみても、山あり谷ありの一年だったなぁと思います。いえいえ、この一年どころか、戦争体験も含めてご苦労いかばかりか。
でも、イエスさまに出会って、支えられ、祝されて来たことは確実です。
秋から冬、いえいえクリスマスに向かうこの季節、お三方ともにかなりの元気度を維持して居られます。
それでも、礼拝堂後方のソファーに仲睦まじくお座りになって礼拝が、体力的にちょうどよろしいようです。そこが指定席として定着してきました。
お三方とも聴力はバッチリ。
礼拝説教も楽しみにしてくださっていて、時に身を乗り出して、そうとう集中して聴いてくださっている様子が、開かれた扉の隙間から講壇にいても見えます。
牧師のわたくしにとっても、大いに励まされる、というのが率直な思いです。
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かつて、わたくしが仕えていた教会に「雅子さん」というご婦人が居られました。葬儀でお別れするまで晩年をご一緒させて頂きました。
雅子さんが決まってお座りになるのは礼拝堂の入口に一番近い、古めかしい明るい茶色の、ひとり掛けのソファーでした。
「わたしゃぁ、おるだけの存在やけん」(博多弁です)と言うのが口ぐせ。
あるいは、玄関口の3段の階段の手すりを手にしたときに、「すんましぇーん、生きとりましたぁ」(半分ユーモアと半分本音)でご挨拶くださったものでした。
しかし、告別式の当日。
あのひとり座りのソファーに雅子さんのお宅からどなたかが運んで来てくださった一輪のサザンカが置かれていた時、その教会の掛け替えのない名脇役が消えて行かれたのだなぁとしみじみ感じたものでした。
忘れ難い、まさに、映画のワンシーンのようなひとこまでした。
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季具枝さん(93歳)、靖さん(88歳)、光子さん(92歳)を、これは可愛らしい場面と思って美樹さんがカメラを構えて撮影しようとしたところに姿を見せたのが、清二さんだったようです。
「僕も入れてー」と言われたそうです。
清二さん。ご自宅では、ご自身のお母さまが三人とほぼ同年齢でご一緒されていて、息子さんとして一所懸命に寄り添って居られることをお聴きしています。
お母さまのことも心の片隅に秘めながら、そして、何かしら三人の存在に勇気づけられたり、元気付けられる力が働いていたのではないか、と想像いたします。
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教会には、時として母が姿を現し、姉が声をかけてくれたり、ということが起こるものですね。
わたくしも本当の身内がほとんど居なくなってますので、そういう意味でも、神の家族の存在に大いに励まされたり、一緒に悩むことを抱える日々となっています。
というわけで、2016年の「聖徒の日」に一番心なごむ幸せな写真はどれだろう、と考えてみましたら、迷うことなくこちらの一枚となりました。
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教会にはあらゆる世代の方が集う可能性があります。本当に素晴らしいことです。
次週は、7月に生まれたばかりの双子ちゃんの祝福式も行われる予定です。靖さんのひ孫さんです。何と喜ばしいことでしょう。
恵みあふれる豊かな礼拝となることを祈っております。どうぞ、教会をお探しの方、お近くの方、少し遠いけれど行ってみようかなぁと思ってくださった方。
旭東教会にお出かけください。
何もかもがあるわけではありません。むしろ欠けがあります。
でも、足りない所に、神さまが御手を差し伸べてくださることをきっと感じられると思います。お目にかかれるのを楽しみにしています。end